GCC’s blog

基本的に「あとは野となれ山となれ」ですが、そこに何かしら実ればと淡い期待をしてもいます。

なぜSSBM-Tを選んだのかについて

 読者のみなさん、こんばんは。手元に動画編集可能な機械がないので、今回は、ウェーブダッシュの日本語字幕付き動画回ではなく、そもそもなぜ筆者がSSBM-Tを選んだのかについて書く回にしようと思います。

 さて、これには(A)個人的な理由と(B)集団(日本melee界隈)的な理由があります。結論を先に述べてしまうと、自分が楽しみつつも結果としてその行為が界隈に対してメリットを産み出しうると思えたので、SSBM-Tの聞き取りと翻訳をやろうと決めました(大げさにとられて全体の趣旨を誤解されないように予め言っておきますが、筆者にとって最も大切な理由は(A)個人的な理由です。いくら(B)を想定できたとしても、(A)が実現しないのであれば筆者は翻訳しないと思うので、どうしたって(B)よりも(A)が先立っていることになります)。以下は、そう思うに至った考えの道筋なので、暇潰しにでも使ってください。個人的な理由、集団的な理由、結論の3部構成です。


(A)個人的な理由
 当ブログ『GCC's blog』の「はじめに」の回で若干言及していますが、まず単純に楽しめそうだったことが個人的な理由のキモです。というのも、SSBM-Tは聞き取る際に「ちょうどよい張り合い」があるからです。外国語を聞き取る際、まったく聞き取れないとすごくつまらないのですが、SSBM-Tはちょっと頑張れば聞き取れるくらいのナレーションにしてくれてあります。何かを継続するときに「ちょうどよい張り合い」って大切ですからね。これがあり過ぎる場合には自分が擦りきれる可能性が常に付きまといますし、反対に、これがなさ過ぎる場合には虚しくなります。あくまで「単にやってて楽しいこと」=「趣味」ですから、それを長く楽しみたいのであれば、こういう視点は大切だと思っています。

 また、筆者はプレイヤーとしてのスキルが未熟なうえにオフ会にも頻繁に通っていませんから、SSBM-Tの聞き取りと翻訳を通じて、トレーニングモード(以下トレモ)での練習の質を上げることができたらいいなぁとも思っています。解説内の動きを再現しようとするだけでも、めちゃくちゃトレモになります。試しに、ダッシュダンスウェーブダッシュ(「絶空」)の動画を見ながらトレモしみてはどうでしょうか。少しでも出来るようになったスキルをmeleeで使えたら気持ち良さそうじゃないですか。ちなみに、オフ会に行こうかどうか、または、オフ会を開こうかどうか迷っている読者の方は、『AMALGAME』に投稿された「スマブラコミュニティで独自に発展した"宅オフ"文化に迫る」(めがね、2017)という記事を読んでみると、そのハードルが下がって行きやすくなったり開催しやすくなったりするかもしれません。とてもよい記事です。


(B)集団的な理由
 集団的な理由というとなんだか堅苦しい表現ですが、言い換えれば、「日本のmelee界隈でSSBM-Tを誰かが翻訳した場合に界隈が得ることのできるメリットってなんだろう」と考えた際に出た理由です。ネットで公開するわけですから、自分以外の人たちにとってのメリットも考えたほうがいいよなと思い、集団的な理由についても考えました。というのも、自分だけ満足すればいいのであれば、適当にそれっぽい字幕つけて公開してあー気持ちいいすればいいだけの話ですからね。しかし、これは嫌だな、と。

 さて、去年の暮れか今年の初めくらいに「SSBM-T誰か訳さないかなぁ」的なツイートがTwitter上で散見された記憶があります。もっと言えば、その前からもちょくちょくSSBM-Tは言及されていたように思いますし、知っていた方は少なからずいるでしょう。筆者は、「SSBM-Tって受容のあるコンテンツかもしれないんだぁ」とふわっと眺め、「誰かやりそうだなぁ」と思っていました。

 他方、これと時期を前後しながら、日本のmelee界隈のインフラが整っていきました。たとえば、『スマブラDX日本ランキング(2016年版)』や『スマブラDX対戦攻略指南』内に設置された『スマログDX』などです。また、関東に限った話になってしまいますが、meleeの関東大会(開催組織)であるBattleGateWay(以下BGW)の配信の質が高まり参加人数も増加しました(これについてはリンク先のBGWのWebページを見てみてください。マジでかっこいいですよ)。BGWは、筆者がTwitterで目にした情報に限っていうと、日本人初のプロスマブラーであるaMSaさんが主宰になったり、英会話に堪能なわっち(@watch_ssbm)さん(海外プレイヤーと日本人プレイヤーの橋渡しにも努める)や界隈きってのライターであるめがね(@mgn_ssbm)さん(BGWの会場カメラマンも努める)たち新スタッフ加入を通じて、また、他のスタッフの方々の諸々の技術向上によって、内側からもその組織力を充実させていきました。

 このように日本のmelee界隈が賑わっていくのを端で眺めながら思ったのは、この界隈を引っ張っていってるプレイヤーや運営および配信スタッフの方々にSSBM-Tの翻訳をやる英語力があってもそれをやってる時間的・精神的余裕がそんなになさそうだなぁということです。誤解を恐れず言うなら、なくて当然だと思いますしね。プレイヤーとしての強さを維持したり、界隈のインフラを整えたり、界隈を活気づけることに意識を向ける。これでは負担が尋常じゃない。

 加えて、日本のmelee界隈は他諸外国のようにeSportsビジネスが成立した土壌ではなく、したがって上記の事柄をほぼ有志で行うことが状況的に求められてしまいます。人間、何かするとき、その動機にお金を稼ぐことなどが含まれていなくても、結果として何らかの見返りがないと精神的にきつくなりやすい側面が多かれ少なかれあると思います。もちろん充実感は気持ちのよい見返りの1つですが、これがあっても金銭的な持ち出しを長期間し続けて充実感が損なわれないほど人間強くはできていません。経験上そう思います。世の中には自分の叶えたい夢のために稼ぎを犠牲にして頑張る人が少なからずいますが、常識的に、それに耐えられる人なんてほんの一握りなんじゃないでしょうか。

 また、どのコミュニティにも言えるようなある種の一般論なので、実際のmelee界隈にどの程度当てはまるのかはわかりませんが、「コミュニティーが一定規模の発展を経た段階で次に目指されるのは『新規参入者の獲得』」であるように思います。この点、クロマキバレッド(@kiba_ssbm)さん主宰の黒ブラは、スマブラforの大会であると同時にDXの台も用意して下さっていますが(2017年6月10日開催の第5回大会では16人規模でのmeleeトーナメントも同時に実施されるようです)、同大会は「新規参入者の獲得」の可能性という点でmelee界隈にも恩恵のある大会だと思います。また、BGWは同年7月8日に64のスマブラ合同大会を開催する予定であるとしており、これは文字通り「新規参入者の獲得」を一部で期待したものと言えるのではないでしょうか。

 「新規参入者の獲得」は、なにも界隈のさらなる発展に寄与するだけでなく、仮に今まで界隈の住人だったプレイヤーがいなくなったとしても、その減った人数と新規参入者の人数が釣り合ってさえいれば、界隈の規模を最低限維持することにも寄与します。これはどこのコミュニティーだって同じでしょう。上記の「純粋な動機や金銭的な持ち出しと見返りの話」と合わせて考えれば、低く見積もっても、高く見積もっても、どこかのタイミングで「新規参入者の獲得」という選択肢が選ばれるのは自然なお話しなんです。なぜなら、新規参入者が増えれば、大会参加者および全体として回収できる参加費の増加が見込めるからです。そうなれば、大会運営が経済的に楽になることでスタッフの方々の様々な負担が減ったり、参加者1人あたりの参加費が平均して下がるなどするでしょう。


結論
 単にSSBM-Tの翻訳のメリットを考えるだけではなく、こういう緒事情(推論も入っていますが)を踏まえた上でSSBM-Tの翻訳が行われるメリットを総合的に考えてみると、その合理的な1つの形が、現状比較的負担の少ない誰か、もしくは、現状負担のほとんどない誰かがSSBM-Tの翻訳を行うことであると考えることができます。翻訳さえ用意されれば後は広めるだけになりますし、また、これによって、初心者・初級者がmeleeに参加する際にそのハードルを高くさせているであろう、操作を覚えることの大変さは少なからず減少するように思うので、「新規参入者の獲得」に対する効果が期待できもしますね。一言でいえば、界隈が「取っつきやすくなって人口増えて全体における諸々の負担が減る」可能性に開かれる、ということです。

 とまぁ、(A)(B)とこういう道筋で考えて、両者が重なるところに自分がいそうだなということがわかったので、自分が楽しみつつも結果としてその行為が界隈に対してメリットを産み出せればすばらしいことだよなぁと夢想しながら、SSBM-Tの聞き取りと翻訳をすることに決めました。つまり、SSBM-T翻訳をするための動機が(A)であり、(A)の結果として生じるかもしれない状態とその機能的なメリットについての推論が(B)というような感じです。筆者は、たまに参加させてもらうだけのプレイヤーですが、もしワイワイとmeleeが出来る界隈が無くなってしまうとしたら、とても寂しく感じてしまうので。

では!